焼酎ニューヨークスタイル

ny-style51_thumb 焼酎大好き!ニューヨーカーのマイケル・リベラさん

NYのお気に入りの焼酎バーで、芋焼酎のお湯割りを飲むマイケル・リベラさん。
NYのお気に入りの焼酎バーで、芋焼酎のお湯割りを飲むマイケル・リベラさん。

焼酎好きが高じて、九州の焼酎蔵を訪ねてこれまでに2度、日本を訪れた。ITコンサルタントのマイケル・リベラさんは、ニューヨーク生まれのニューヨーク育ち、生粋のニューヨーカーだ。

リベラさんが最初に焼酎と出会ったのは2012年6月、ニューヨークのレストラン「鳥心」で行われた焼き鳥と焼酎のペアリング・イベントだった。この欄でも紹介した焼酎大使のスティーブン・ライマンさんがゲスト・スピーカーでそれぞれの焼酎を説明。その日初めて飲んだ焼酎は3種類の米焼酎。日本酒は花のような香りがするが、焼酎は日本酒と比べるとシープな味わい、同じ米からできた日本酒との違いに衝撃を受けた。そして、その時、焼酎のとてもシャープでクリーンな味わいに魅せられたと話す。

芋焼酎によく合うというリベラさんお勧めのスペイン・タパス料理「アヒージョ」。芋焼酎によく合うというリベラさんお勧めのスペイン・タパス料理「アヒージョ」。オリーブオイルとニンニクで煮込んだ鶏肉とソフトシェル・シュリンプ、マッシュルーム、トマトとヤマイモ。ホット・チリオイルはフランスパンにつけていただく絶品。13ドル(Shochu and Tapas-Aya)

焼酎はヘルシーで低カロリー、二日酔いをしない、血液の循環を良くし血栓症の予防にもなる、など健康にいいのも好きな理由。「100歳以上、生きた日本の長寿者が焼酎を飲んでいたという話を聞いて、健康にもいいと思った」と笑う。

好きな焼酎は芋焼酎、リッチな味わいが好きだという。「黒麹の芋焼酎を6対4のお湯割りで」とバーテンダーに慣れた口調で注文する。「この割合が最高にいいんだ。いつもお湯割りで飲む、すこし熱いからゴクゴク水のようには飲めないし、ゆっくり飲むのが体にもいいからね。米国ではアルコールをお湯で割って飲むという習慣がないが、焼酎をお湯で割ると香りが引き立つ」とリベラさん。そんな飲み方の文化の違いもエンジョイしている。

リベラさんはニューヨーク生まれだが、両親はプエルトリコ出身。子供の頃、家ではプエルトリコ料理をよく食べていた。プエルトリコの料理にはサツマイモを多く使う。リベラさんの中で、プエルトリコの食文化と日本の芋焼酎が架け橋となり二つの文化が結びついた。プエルトリコ料理はグリーシーで豚肉料理や鶏肉料理が多いが、芋焼酎はプエルトリコ料理にもよく合うと確信する。

今年1月福岡で行われた焼酎の勉強会「焼酎カレッジ」でスピーチするマイケル・リベラさん
今年1月福岡で行われた焼酎の勉強会「焼酎カレッジ」でスピーチするマイケル・リベラさん

小学生の頃から日本文化や歴史に興味があり、いつか日本に行きたいと思っていた。そのために日本語も勉強した。特に焼酎の歴史に興味がある。米国のアルコールの歴史は200年くらいだが焼酎は何百年も前にさかのぼる、蒸留酒がどのようにして日本に伝わり、焼酎が作られるようになったのか、その歴史にはロマンを掻き立てられると目を輝かせる。

最初に日本を訪れたのは2014年の10月、片言の日本語で一人で九州の6つの焼酎蔵を訪ね歩いた。鹿児島県の焼酎蔵では1日研修もして、焼酎作りも体験した。九州各地の居酒屋にも行き、地元の料理を食べ、米国では飲めない焼酎も堪能した。2度目に日本を訪れたのは今年1月、福岡で行われた「2016年鹿児島県産 薩摩焼酎・黒糖焼酎 大試飲会」に参加。また、焼酎文化の魅力を発信する団体「Sho-Chuプロジェクト」の代表理事・九州大学大学院の坂口光一教授が主催する焼酎の勉強会「焼酎カレッジ」にゲスト講師で招かれ、英語で「Bringing People Together Through Shochu」のスピーチも行った。焼酎との出会いはマイケルさんの人生を変えたという。異文化への扉を開け、健康的な食生活にも気遣うようになった。

2014年鹿児島県の焼酎蔵で1日研修をするマイケル・リベラさん2014年鹿児島県の焼酎蔵で1日研修をするマイケル・リベラさん2014年鹿児島県の焼酎蔵で1日研修をする
マイケル・リベラさん

夢は両親の祖国プエルトリコに焼酎を伝え、多くの日本人がプエルトリコを訪れてくれること。焼酎を通じて自分がその橋渡しができればうれしいと語った。

2014年蔵見学に訪れた福岡県の焼酎酒造会社の前で2014年蔵見学に訪れた福岡県の焼酎酒造会社の前で

ライター 石黒かおる

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