焼酎ニューヨークスタイル

ny-style33_thumb 厳寒のニューヨークで焼酎セミナーとテイスティング


第一部のセミナーで、バーテンダーやレストラン関係者、輸入業者、メディアに焼酎の説明をするブライアン・マスィスさんと参加者。

今年の2月、米国東部は歴史的な寒波に見舞われた。ニューヨークは連日氷点下15度近い日が続き、セントラルパークも1950年以来の記録を破ったという。そんな厳寒の中、ニューヨーク・マンハッタンのレストランで2月19日、日本酒造組合中央会の主催で日本から訪れた焼酎メーカー15社が参加して焼酎イベントが開かれた。

会は業者向けと一般消費者向けの二部構成で開かれた。第一部の業者向けの会ではニューヨークのバーテンダーやレストラン関係者、アルコールの輸入業者、メディア向けに「焼酎セミナーとティスィング」が行われ約50人が参加。講師は焼酎や日本酒にも詳しい米国人のブライアン・マスィスさん。ワインのティスティング形式にグラスが並べられ、麦、芋、米焼酎、泡盛とそれぞれをティステイングしながらスライドを使い、仕込みや保管の仕方、ロック、水割り、お湯割りなどの飲み方やチュウハイなどなど基礎知識と特徴を説明。カクテルとしての飲み方も提案、どんな料理と合うのか米国の料理とのペアリングの提案もあった。


バーデンダーのレオさんが作る米焼酎を使ったカクテル「Ai Ki Kome / Love Rice」。火を付けるパフォーマンス が場を盛り上げる。


日本のスピリッツが好きだというアルリアさん、 麦焼酎をベースにしたカクテル「Silhouette」を作ってくれた。

米国ではスピリッツの売り上げが少しずつだか伸びている。2014年のスピリッツの総収益は前年度より4%アップ、2000年から比べると6.4%のアップした。売り上げは2000年が $11.7 billion 、2014年には $23.1 billion にまで伸びてる。焼酎も今後の売り上げアップが期待される。

セミナーに参加していた、メキシコ料理店でバーテンダーをしているラミ・ラヴィさんは「驚きだね。とてもいいセミナーだった。今日は沢山のことを学んだ。焼酎のことは知ってはいたけど、今日のセミナーを聞いてさらに興味が湧いた。特に麦焼酎はカクテルに使えると思ったイマジネーションが湧いてきたよ」。 スピリッツ雑誌「Distillery Age」の発行人で編集者のグレッグ・グレザーさんは「今日のセミナーはとても良かった。オーク樽で熟成した焼酎には興味があるね。まだ、まだ99%の米国人が焼酎のことは知らないと思うよ」と話した。


第二部で焼酎メーカーの焼酎をテイスティングする来場者

第二部は一般消費者向けのティステイングと焼酎カクテル・イベントがあった。ニューヨークでイベントを請け負った「SIP Japan」が顧客にメールでイベントを配信、約280人の事前予約があったという。二部では5人のバーテンダーが2週間かけていろいろと試しながら思案したという14種類のカクテルを紹介。会場ではバーデンダーが訪れた人に自慢のカクテルを振舞った。バーデンダーのレオさんが作ってくれたのは、米焼酎を使ったカクテル「Ai Kome / Love Rice」。米焼酎とスペインのシェリー酒に火で炙った オレンジの甘い風味を添えて。火を付けるパフォーマンス が場を盛り上げる、オレンジの香りが甘いカクテル。日本のスピリッツが好きだという女性バーテンダーのアルリアさんは「私のお気に入りのカクテルをつくってあげるわ」と、麦焼酎をベースにしたカクテル「Silhouette」を作ってくれた。洋ナシのブランディにCocchii Americano, Orenge Bittersを加えたカクテルだ。

会場を訪れていたサントムさんは、30人から100人くらいのパーティ料理のケイタリング会社を経営しているという「今日はエキゾチックなフルコースを楽しめた。会社ではワインを扱っているが、将来的には焼酎も考えている」。また、フリーランスのバーテンダーでコニャックやジンを使ったカクテルの大会でいくつも賞を取っているというフランキー・マーシャルさんは「焼酎に関しては少しの知識しかなかったので、今日は焼酎について沢山のことを学んだわ。これからはカクテルに焼酎を使ってみようと思う」と話していた。

こんなに寒いニューヨークの冬には焼酎のお湯割りをニューヨーカーにすすめたい。

参考資料:
http://www.discus.org/assets/1/7/Distilled_Spirits_Industry_Briefing_Feb_3_2015_Final2.pdf

ライター 石黒かおる

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