焼酎ニューヨークスタイル

ny-style49_thumb ハーレムのバーでも焼酎カクテル

カクテルを作るオーナーの椛島繁史さん。
カクテルを作るオーナーの椛島繁史さん。

マンハッタンの北西部、ハーレム地区のニューヨーク市立大学シティ・カレッジ近くに、今年4月にオープンしたレストラン&バー「ROKC」(3452 Broadway, New York, NY 10031)。同じ夢を追う4人の日本人バーテンダーが共同で始めた。店名の「ROKC」は「R=ラーメン」「O=オイスター」「K=キッチン」「C=カクテル」のそれぞれの頭文字をとって命名したという。その名の通り、ラーメンとオイスター、日本の小皿料理、そしてカクテルを提供するお店。この辺りにはカクテルを出すようなバーがあまりなく、地元の人たちに人気だ。私が訪れたのは昼間だったが、小さな子供連れの女性がカクテルを飲んでいたのは驚いたが、米国では昼間でも子連れの女性が普通にカクテルを飲むそうだ、さすがに米国人女性は強いのである。

焼酎カクテル「Flower」電球の形のグラスが面白い。焼酎カクテル「Flower」電球の形のグラスが面白い。

4人のバーテンダーが始めた店なので、カクテルの種類が豊富なのが魅力。本格焼酎、黒麹の麦焼酎を使ったカクテル「Flower」が米国人にも人気だ。麦焼酎にラベンダー、エルダー・フラワー、クランベリーを加えたカクテル。価格は一杯12ドル。マスカットに似た甘い香りが特徴のエルダー・フラワーは薬用の効能もあるといわれている。
私もこの「Flower」を飲んでみた。まず、電球の形をしたグラスに驚いた。銀色の器に氷を沢山入れ、その上に、電球の形をしたグラスに入った「Flower」カクテルが置かれ、ラベンダーの花が添えられている。すっきりとした味わいの、きれいなラベンダー色のカクテル。そのプレゼンテーションもにも目を見張る。日本人バーテンダーならではの繊細なおもてなしのアイディアだ。カクテルを作ってくれた、オーナーの椛島(かばしま)繁史さんは、「グラスの中に氷を入れてしまうと、飲んでいるうちに水っぽくなってしまうので、器に氷を入れて冷やしている」。生花のラベンダーの花を麦焼酎に漬けて作った自家製リキュールを使っている。「ラベンダーとエルダー・フラワーが焼酎と合うというひらめきがあった」と椛島さん。

カクテルを作る長谷川哲夫さん
カクテルを作る長谷川哲夫さん

共同経営者の一人でニューヨークでバーテンダー暦9年の長谷川哲夫さんは、「日本人バーテンダーなので、日本っぽいカクテルを作って、お客様に提供したいという思いがある。その一つが焼酎を使ったカクテルなんです。お客様から『こんなカクテルが飲みたい』という要望があれば、焼酎を使ってどんなカクテルでも作れます」と話す。日本人バーテンダーの技術は米国人バーテンダーを超えているという。確かに、日本人バーテンダーのプレゼンテーションには驚かされる。

米国人にも人気、ラーメン「Kyoto」米国人にも人気、ラーメン「Kyoto」

お店のもう一つの売りは、ニューヨーカーに人気のラーメンだ。同店のラーメンの種類は3種類。私はお勧めの醤油ベース「KYOTO」をいただいた。お酒を飲んだ後に、しめでラーメンを食べるという「日本の、しめのラーメン文化」も米国人に広めたいと椛島さんは話していた。ニューヨークではここ数年ラーメン人気に火がついて、1ヶ月で3、4店舗のラーメン屋がメトロポリタン・エリアにオープンしているという。

ライター 石黒かおる

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