焼酎ニューヨークスタイル

ny-style07_thumb ウイスキー愛好家に焼酎を!

マンハッタンのチェルシー地区にあるホテル「The Dream Downtown」の地下1階に、今年1月、レストラン「BONDST」のJonathan Morrさんがジャパニーズ・フレンチのレストラン「Cherry」をオープンした。この周辺は、オシャレなレストランやブティックが立ち並ぶマンハッタンでも人気のスポット、ミートパックキング地区の目と鼻の先。流行に敏感なニューヨーカーや観光客が集まるエリアだ。

ホテルの脇の地下につながる長い階段を下りていくと、ドアの向こうには落ち着いた雰囲気の重厚な赤いベルベットのイスとテーブルが並ぶ。店内は広く、テーブル席は約120席、カウンター席は10席ほどある。

Cherryの入り口
Cherryの入り口

酒ソムリエのクリス。ジョンソンさん
酒ソムリエのクリス。ジョンソンさん

ここで店のスタッフに焼酎と日本酒の教育を行っているのが、酒ソムリエのクリス・ジョンソンさん。数年前に日本政府主催のJETプログラムで大分県に3年間住んでいたことがあり、流暢な日本語を話す。大分に在住していた時に焼酎や日本酒と出会い、すっかり虜になったとか。それからは蔵元を訪れたり、独自で焼酎と日本酒の勉強をしたそうだ。

同店のメニューには日本酒が77種類。焼酎も麦、芋、泡盛と約6種類の焼酎がある。グラス売りはもちろん、将来的には焼酎はボトル・キープもできるようにするという。焼酎の銘柄はこれからまだ増やす予定だが、まずは焼酎とはどんなもので、どんな飲み方ができるのか店の米国人スタッフへの教育から始めたいとクリスさんは話す。

素敵なグラスで焼酎のオンザロック
素敵なグラスで焼酎のオンザロック

「米国人には日本酒に比べて焼酎はまだなじみが少ないので、まずは飲んでもらうことから始めないと」とクリスさん。それでは、どのように焼酎をお客様に勧めるのか。「ウィスキーやウォッカなどハードリッカーが好きな人に、まずはエイジングした焼酎をオンザロックで勧める」。ワインが好きな人に焼酎をロックで勧めてもダメ、ウィスキーの愛好家が狙い目だという。同店では、ホワイト・オーク樽で長期貯蔵した麦焼酎(銀座のすずめ琥珀や神の河)を、まずは最初の焼酎への第一歩として勧めたい。「カクテルや水割りやお湯割りではなく、やはりオンザロックで焼酎の味をわかってもらいたい」とクリスさんは話す。より多くのお客様に試してもらえるように価格はグラスで8ドルから、ボトルで50ドルくらいと比較的、低価格で提供する。

また、焼酎とのペアリングで勧めたい店の自慢のアペタイザーは「Foie Gras Shortrib Gyoza」(17ドル)、フォアグラの餃子?とちょっとびっくり、そこで私もクリスさんお勧めの長期貯蔵の麦焼酎のオンザロックとフォアグラ餃子を試してみた、濃厚な味の揚げ餃子は、なるほどこの長期貯蔵の麦焼酎との相性もいい。日本酒と比べて焼酎はフードとのペアリングは難しいが焼酎と一緒に焼き鳥や天ぷらなどをお客様に勧めたいそうだ。

バーカウンターの棚に並ぶ焼酎
バーカウンターの棚に並ぶ焼酎

フォアグラの餃子(17ドル)
フォアグラの餃子(17ドル)

私が訪れた日、カウンターではロマンスグレーの紳士と背中の大きく開いたドレスを着た美女がグラスを傾けていた。こんなオシャレなバーでニューヨーカーが焼酎のオンザロックのグラスをかたむける日がもうそこまで来ている。

The Dream Downtown - Cherry

Cherry

  • address:355 W 16th St New York NY 10011 (9番街と10番街の間)
  • Tel:212-929-5800
  • URL:http://cherrynyc.com/

同店に置いてあった焼酎(2月9日現在)
(銀座のすずめ、瑞泉、富乃宝山、紅一刻、香吟のささやき、神の河)

The Dream Downtown

ライター 石黒かおる

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