焼酎ニューヨークスタイル

ny-style39_thumb 2015年NY秋の焼酎イベント

秋になると、ニューヨークでは業者向けに日系食品輸入業者のフード・ショーが毎年行われる。
9月にはJFCの「サケ・エキスポ&フード・ショー2015」がマンハッタンのホテルで開かれた。


麦焼酎セットの左から、食前酒用の白麹、食中酒用の黒麹、食後酒用の樽貯蔵、グラスはカルピスカクテル

食品や日本酒のほか、日本からも焼酎メーカーが多数参加し、新商品を紹介していた。大分県の酒造会社は3種類の麦焼酎のそれぞれの飲み方を提案。白麹で造った麦焼酎は食前酒に、黒麹の麦焼酎は食中酒として、そして、バーボン・ウイスキーの空き樽に貯蔵し、スモーキーな風味が特徴の麦焼酎は食後酒にと小瓶3本をお試しセットとして提供していた。お試しセットの卸売り価格は14ドル40セント、リッカーストアーでは20ドルから25ドルくらいで販売される見込みだ。

そして、カルピスや抹茶で割って飲むカクテルとしての飲み方も提案。日本から来ていた同社の社長は「米国の西海岸では焼酎はソフト・リッカーで扱えることもあり、東海岸よりも西海岸の方が出ている。しかし日系の和食店が中心で白系のレストランに入らないのが悩みだった。アジア系以外の米国人にも飲んでもらえるように、カルピスで割って飲むカクテルとしての飲み方を紹介して、会場でも試飲してもらっている。また、長崎県のお茶のメーカーともジョイントして抹茶カクテルも今回会場で提供している。この抹茶カクテルを流行らせたい」と話す。

ニューヨークでは抹茶は人気だ。抹茶アイスクリームはもとより、抹茶ケーキや抹茶エクレア、抹茶チョコレートと抹茶づくし。そして、ブルックリンのウィリアムズバーグには2014年に抹茶バーも登場し同店の抹茶カフェオレや抹茶アイスティーなども人気商品。日本酒も米国では最初は「サケ・ティーニ」などの酒カクテルから紹介し、現在のようにそのままで飲む飲み方が定着した。焼酎メーカーにとっては、甘いカクテルにして飲まれるのは意にかなわないかもしれないが、最初はカクテルというのみ方で焼酎を紹介するのもひとつの方法だ。

また、沖縄県の琉球泡盛メーカーは35度の新商品の長期熟成古酒の泡盛を紹介していた。日本では販売しているが米国ではこれから売り出す商品だという。ニューヨークはラーメン屋がブームだが、ラーメンにも合うと担当者。まずはためしてもらう為に375ミリの小瓶で提供している。

10月3日にはニューヨーク共同貿易もマンハッタンで業者向けに「ジャパニーズ・フード&レストラン・エキスポ」を行った。この日は約1600人の来場者が訪れたそうだ。同ショーにも焼酎メーカーが参加していた。
鹿児島県の焼酎メーカーは、サンプル用に100ミリのプラスチックの小瓶で3種類の焼酎を用意して来場者に配布していた、「お客様に自宅でも試してもらえるように今回用意しました」と担当者。かわいい!と人気だった。

会場では焼酎の飲み方を提案するコーナーを設けてロック、水割り、カクテルと様々な飲み方を紹介。担当者は「焼酎をガード下で飲むという日本のイメージではなく、高級な飲みものとして売っていきたい、グラスも高価なグラスでお客様にサービスするなど、グラスや飲み方の提案もしている」と話していた。共同貿易のホームページでは41種類の焼酎カクテルのレシピも紹介している。


共同貿易のレストランショーに並んだ焼酎ブース

鹿児島県の焼酎酒造メーカーがサンプル用に用意した100ミリの小瓶、マッチ箱と比べて。
鹿児島県の焼酎酒造メーカーがサンプル用に用意した100ミリの小瓶、マッチ箱と比べて。

35度の長期熟成古酒泡盛、375ミリの小瓶で提供。
35度の長期熟成古酒泡盛、375ミリの小瓶で提供。

焼酎の飲み方を提案するコーナーでは高級グラスの紹介や飲み方の提案も行っていた。
焼酎の飲み方を提案するコーナーでは高級グラスの紹介や飲み方の提案も行っていた。

ライター 石黒かおる

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