焼酎ニューヨークスタイル

ny-style35_thumb 新商品も続々登場、NYの焼酎イベント

マンハッタンの5番街、エンパイア・ステイト・ビルが正面にドーンと見える、眺めのいい「230フィフス・ルーフトップ・バー」で6月20日、ニューヨークの食品食材の輸入会社ウィズメタック・エイジアン・フーズ(旧社名・西本貿易、今年1月に社名変更)が、「プレミアム酒&焼酎イベント」を行った。同社が毎年、マンハッタンで行っている展示会で今年で第8回目。会を重ねるごとに来場者の数も増え、今年は1250人の事前の参加登録者があった。
日本からは焼酎メーカー8社が出展(オガタマ酒造、山元酒造、大口酒造、薩摩酒造、八千代伝酒造、霧島酒造、雲海酒造、久米島の久米仙)。
新しく米国で売り出す新商品もあったので紹介したい。


焼酎ブースが並ぶ会場


来場者で賑わう会場

鹿児島県のオガタマ酒造は、古式甕仕込の芋焼酎「鉄幹」と黒麹の「鉄幹黒」を今年8月末ごろからニューヨークで発売予定。「昨年、鹿児島県本格焼酎鑑評会で総裁賞を取った日本でも人気商品、東南アジアなどにも輸出しているがこれまで米国には出てなかった。やっと米国で販売できることになりました」と同社取締役営業本部長の山元康生さん。私も試飲してみたが、甕仕込なのでスムーズな口当たり、黒麹仕込みの方は甘みとコクもある。


会場で来場者に焼酎の説明をする担当者

同県の八千代伝酒造は昨年12月からニューヨークで販売を開始した芋焼酎・白麹「八千代伝(白)」と黒麹「八千代伝(黒)」、麦焼酎「千が飛ぶ」を紹介。サンフランシスコとロサンゼルスでも今年8月から販売予定だという。同社の焼酎は全て甕仕込み。「従業員5人の小さな蔵。社員の平均年齢は30代と若い」と話す同社専務取締役の八木健太郎さん。「米国でのビジネスは思ったより動きは早い。大手に比べると作る量に限界があるので大量には作れないが、将来の蔵の方向性を米国をマーケットに考えている。焼酎を飲む人の平均年齢が45歳というデータもあり、日本の少子高齢化で焼酎を飲む層が減少する恐れもあり、米国でのマーケットを視野に入れて行こうと思っている」と話す。同社ではサツマイモもバイオ苗を使い契約農家は使わずに従業員で自社栽培していると言う。

宮崎県の霧島酒造は日本で今年1月から発売している白麹で仕込んだ芋焼酎「白霧島」を紹介。サツマイモは黄金千貫を使用、年内にはニューヨークで発売予定だ。日本ではアルコール度数が25度だが、米国販売用は24度にする。

米国でのビジネスについて薩摩酒造の本坊敦子さんは「米国で焼酎はまだ清酒ほど浸透していないのでマーケットが広がっていないのが現状。新しいメーカーも入って来るのでパイの取り合いも起こる。2、3年で諦めて撤退するメーカーもある」と話す。


ニューヨークのウエストチェスターでバーを経営するデューク・ジョーンズさん。焼酎カクテルはライトでスムーズで気に入ったと笑顔で乾杯。

主催のウィズメタックの久野賢一さんは「お客様の焼酎への興味を高めることが大切。そのために、今年も焼酎のカクテル・ブースを設けて、焼酎をカクテルにして飲む、飲み方を提案し、カクテルをほかの材料とセットで販売している。焼酎の単体ではまだ難しい」と話す。また、カクテルでも使用できる35度の焼酎をメーカーと開発し米国での販売を予定しているという。

会場では焼酎カクテルが紹介されていた。芋焼酎に柚子シロップを加え水で割ったカクテル「YuzuChaShochu」を試飲した、バーを経営しているデューク・ジョーンズさんは、このカクテルは何でできているのかとしきりとバーテンダーに聞き、柚子シロップの入った瓶を見せてもらっていた。
ジョーンズさんに焼酎カクテルはどうかと聞いてみた「ジンやウォッカ・ベースのカクテルにくらべて、ライトでスムーズ。すばらしい味わいだね。作り方を教えてもらって自分の店でも出したい」と話していた。


カクテル:Cocopine:芋焼酎・黒伊佐錦にココナッツ・ミルク、パイナップル・ジュースを加えたカクテル。クリーミーだが、思ったほど甘くない。


Yuzu Cha Shochu:芋焼酎・八千代伝(白)に柚子シロップ、水を加えたカクテル。柚子のほのかな香りと芋焼酎が絶妙にマッチ

そのほかの出展社、山元酒造は米国での売り上げは2割アップという。「泡盛」を出展していた沖縄県の久米島の久米仙は泡盛はニューヨークはまだこれからだが、ロサンゼルスは沖縄料理の店が多く、泡盛もよく出るという。宮崎県の雲海酒造は蕎麦焼酎を紹介。蕎麦焼酎をスパークリング・ウォーターで割る飲み方をお客様に勧めていた。フルーティで、寿司や刺身、牡蠣にも合う飲み方と話す。日本国内ではアルコール度数は25度だが米国では24度にして販売している。

ライター 石黒かおる

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