続 知ってる?本格焼酎のコト

第35回:焼酎の遊び方

忘年会で球磨拳を披露しませんか?

12月に入るといよいよ忘年会シーズン。「さあ、飲むぞ」と気勢を上げている方もいるかもしれませんが、ほどほどに楽しく飲むことをお奨めします。

さて、忘年会というとつきものなのが、隠し芸です。マジックやコント、歌や踊りなどさまざまですが、実は焼酎と共に育った宴会遊びがあることをご存じでしょうか。

球磨焼酎の産地である熊本県人吉盆地では「球磨拳(くまけん)」というジャンケンのルーツのような遊びが伝わっています。こぶしと指の組み合わせで0から5までの数字を作り、数の大小で勝ち負けを争うのです。二人で正対して行い「イッチョー、ニィー」などのかけ声と共にこぶしをだし、相手よりもひとつだけ大きい数字を出すと勝ちになります(但し0は5に勝つ)。今でも宴会などで盛り上がってくると行われているようで、大会も開かれています。

高知の「はし拳」にも似ているこの遊び方は、江戸時代に相良藩の武士の間からはじまったと言われ、2回続けて負けるとガラからチョクに焼酎を注いで1杯飲むというのがしきたりになっています。酒の無理強いになってはいけませんが、忘年会でどうせ焼酎を飲むならば、チョクの替わりにおちょこを使って、球磨拳を試してみませんか?

酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 12/2掲載)

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