知ってる?本格焼酎のコト

第24回:酒粕焼酎

製法の進歩で”和製グラッパ”の名に恥じない名酒も出現!

先週は、粕取焼酎の伝統的な製法についてご紹介しましたが、少し説明が足りなかったところもあるので、もう少し説明いたします。

酒粕を使った粕取焼酎と言えば、伝統的には籾殻を使って蒸籠で蒸していたのですが、最近では少し様子が変わっています。例えば、昨年一年間で酒粕を原料として造られた本格焼酎は約1000klほどありますが、その多くは先週書いたような伝統製法ではなくなってきています。

最近の主流は、1.他の本格焼酎と同じように米麹で一次もろみを造り、そこに主原料として酒粕を入れる、2.酒粕をそのまま水で溶かしてもう一度発酵させてその液体を蒸留する、3.酒粕を熱風で乾燥させながら、気体になるアルコール分と香気成分を蒸留と同じ方法で冷却して焼酎にする。などの方法が主流になっています。1.の方法では、酒粕を原料としてはいますが、製造方法としては、一般のもろみ取り焼酎とほとんど同じようになりました。本格焼酎の製法は日進月歩を遂げており、このことが最近の焼酎ブームを支えている面もあるのでしょう。

実は先週のコラムを書いた後で久しぶりに粕取焼酎を飲んでみたのですが、予想以上にマイルドな香りで、まさしく和製グラッパの名に恥じない銘酒だなと感じいった次第です。

酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 9/12掲載)

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