知ってる?本格焼酎のコト

第34回:長期熟成酒(1)

「古酒」の表示は3年以上の貯蔵酒が5割を超えることが条件

本格焼酎と泡盛の大きな特徴は蒸留酒なのに新酒で飲んでもおいしいというところにある。これは欧米文化の酒はない特徴である。しかし、蒸留酒なのでウイスキーやブランデー同様に熟成させるとさらに酒がおいしくなるのも事実である。

本格焼酎や泡盛のラベルに「古酒」と書いてあるものがときどきある。これは適当に表示しているのではなく、お酒の半分以上が3年以上の貯蔵酒である場合にのみ許される表示だ。焼酎は熟成させると口当たりが一段とまろやかになる。よく古酒は水で割るともったいないとそのままストレートで飲まれる方もいるが、しっかりした酒は水で割っても味が崩れることはないから、ふだん通りに飲んでもよいと思う。

焼酎が熟成するとよりおいしくなるということを最初に理解したのは、沖縄の人々ではないだろうか。泡盛には、昔から「仕次ぎ」という熟成方法が伝わっていて、戦前までは名家には酒庫があったと言われる。そこでは毎年カメに入れた泡盛を仕入て貯めていくのだ。賓客が来ると、一番古いカメから必要量を取り振る舞う。減った分はその次ぎに古いカメから足して、順次同じ手順で補充していく。この方法で年々より長い年月熟成した古酒(クース)を作っていくのである。これだけの手間をかける値打が泡盛の古酒にはある。

酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 11/20掲載)

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