第47回:焼酎の原料表示(2)
本格焼酎は使用原料をすべてラベルに表示
お酒の業界には酒の種類ごとに業界団体がある。たとえば本格焼酎・泡盛などの乙類焼酎は日本酒造組合中央会所属で、甲類焼酎は日本蒸留酒酒造組合所属と二つに分かれている。甲乙の区別も定かではない飲み手からすれば、二つに別れているのは不思議な感じを持つだろうが、実は製造方法も歴史や文化も異なる二つのお酒に同じ焼酎という名前が使用されていると考えた方がよいようだ。
本格焼酎は原料の特性が酒の風味を支配するので、最近では使用原料をすべてラベルに表示するという方向へ進んでいる。しかし近代産業として生まれた甲類焼酎は加工度も高く、原料の違いは最終的な味にさほど影響を与えない。使用する原料も世界中の市場や相場から調達したものを用いていると聞く。
ここで気になるのは、甲類焼酎に麦焼酎をまぜて麦の風味を生かして造られる甲乙混和タイプの麦焼酎の場合だ。中には味は麦焼酎であっても、原料として麦が使われている比率はごくわずかなものもあったようだ。しかし今後は混和比率をラベルに表示するという方向へ進むらしい。
オレンジ果汁100%のジュースとオレンジは少ししか入っていなくてもオレンジ味がする清涼飲料のようなものである。どちらを選ぶかは飲み手の好みに任される。