焼酎・泡盛を知る

地理的表示(GI)と
地域団体商標

地理的表示(GI)と
地域団体商標

地理的表示【GI】

Geographical Indication

ウイスキーのスコッチやワインのシャンパーニュなどは世界貿易機構(WTO)が認定した地理的表示(GI)です。たとえば、同じ発泡性のワインでもフランスのシャンパーニュ地方で生産され、一定の品質基準を満たしたものだけが「シャンパーニュ」と名乗ることが許されています。
このように、お酒について「正しい産地」であることと、「一定の基準」を満たして生産されたことを示すのが「地理的表示(GI)」です。日本では、「壱岐焼酎」「球磨焼酎」「薩摩焼酎」「琉球泡盛」は地理的表示(GI)が許された銘酒で、世界が認めたブランドです。

地域団体商標制度

Regional Collective Trademark

また、日本では特許庁が平成18年4月から地域ブランドの育成をめざした「地域団体商標制度」をスタートさせました。現在、「大分麦焼酎」「宮崎の本格焼酎」「奄美黒糖焼酎」「博多焼酎」などが新たに登録を受けています。地理的表示(GI)と同様に地域に根ざし、原料から瓶詰めに至るまでの厳格な品質基準が設けられ、厳しい審査に基づいて認定されます。

各産地/地域に密着し、
気候風土や食文化とともに
長い時間を費やして
味に磨きをかけられ、
育てられてきた。
本格焼酎と泡盛は、
そんな付加価値を持つ
ブランドなのです。

【GI】壱岐焼酎
(1995年指定)

壱岐焼酎

長崎県 壱岐市

壱岐焼酎とは?

What is Iki-shochu?

日本の麦焼酎の発祥地と言われている長崎県壱岐市(壱岐島)でつくられる麦焼酎ブランドです。
壱峻島で伝統製法を守り、品質を担保し造られている麦焼酎だけが壱岐焼酎という地名を冠したブランドを名乗ることを許されています。原料に米麹1/3と大麦2/3を使用する壱岐独特の製法で、米麹を使用することによる天然の甘味とその豊潤な麦の香りが特長です。また、貯蔵熟成酒も多く、熟成らしいまろやかな味わいを醸し出しています。2021/3月現在、壱岐島では7つの蔵が壱岐焼酎を造っています。

壱岐焼酎が生まれた背景

Background of Iki-shochu

壱岐島は福岡県博多市や佐賀県呼子市に近く、また朝鮮半島・中国大陸にも近い玄界灘に浮かぶ、海や山の幸に恵まれた緑豊かな島です。島は平地割合が高く、温暖な気候と水に恵まれていたので、古くから穀類づくりが盛んでした。場所柄、朝鮮半島・中国大陸と近く交易ルートにあった壱岐に中国からの蒸留方法が伝わり、それが壱岐の穀類づくりと結びつき、麦焼酎発祥と言われる壱岐独特の麦焼酎が生まれました。

壱岐の名産品と楽しむ壱岐焼酎

Enjoy with Iki's specialties

周りを海に囲まれた壱岐島。当然ながらおいしい魚介類には事欠きません。鮮魚はもちろんのこと、海女さんたちが獲る雲丹(ウニ)が名産品。濃厚のうまみを持つ獲れたての魚介類は、米麹の甘みと麦の香ばしさが感じられる壱岐焼酎にピッタリ合います。
また、もうひとつの壱岐島の名産品と言えば、壱岐牛。周りを海に囲まれた島ならではのミネラルたっぷりの栄養価の高い牧草を食べ、のんびりストレスなく育てられた壱岐牛は、出荷数は年間900頭程度の希少牛です。柔らかな肉質とコクのある脂質が評判。シンプルに焼いたステーキや焼き肉を、甘みがありながらスッキリとした壱岐焼酎と合わせれば、壱岐牛のうまみを存分に堪能することができます。

【GI】球磨焼酎
(1995年指定)

球磨焼酎

熊本県 人吉・球磨

球磨焼酎とは?

What is Kuma-shochu?

熊本県球磨郡及び人吉市で造られる、日本を代表する米焼酎ブランドです。
原料として米を使い、人吉・球磨の地下水を使用し、人吉・球磨で蒸留することが球磨焼酎を名乗る条件です。人吉・球磨地方は周りを山々に囲まれた盆地。周りの山々から流れ出す水は清流 球磨川/地下水となり、盆地ならではの寒暖差の激しい気候と相まっておいしいお米がつくられます。このお米を原料に、米の芳醇な香りを持つ球磨焼酎となります。
2022年5月現在、27の蔵元があり、すべてをあわせると200以上のブランドが生産されています。すっきりした口あたりでクセが少ないものから、ウイスキーのような華やかな香りと甘みのあるものまで、多種多様な球磨焼酎があります。

球磨焼酎伝統の飲み方「直燗」

Direct heating, the traditional way of drinking Kuma shochu

焼酎を注いだ酒器を直火にかける「直燗(じきかん)」は、球磨焼酎の伝統的な飲み方です。この「直燗」のための酒器が、「ガラ」と「チョク」です。ガラは直燗、すなわち直接火にかけて温めて飲む酒器です。焼酎は昔、枡で量って二合五勺が一盃と呼ばれていたため、ガラには丁度、二合五勺が入るように設計されています。
チョクは、清酒の杯より小さいサイズの口が開いていない酒器です。口が開いていないので、ガラで加温した球磨焼酎のツンと来る強烈な匂いを抑えてくれます。
ガラもチョクも、有田焼の白色陶器が一般的です。人吉・球磨で球磨焼酎を飲む機会があれば、ぜひこの伝統の飲み方を試してみてください。

ガラとチョク
酒席遊び「球磨拳」

球磨の名産品と楽しむ球磨焼酎

Enjoy with Kuma's specialties

球磨焼酎のブランド名の元ともなっている球磨川。球磨川で獲れるヤマメ・アユなどの川魚や鰻や鮭を使った料理は、人吉・球磨地方の古くからの郷土料理です。球磨焼酎の香りが高く、スッキリした飲み口は、川魚のほろ苦さによく合います。
また、平たい小麦粉の団子、「だご」を人参、里芋などの地元産野菜や豚肉などと煮込む、「球磨だご汁」も有名な郷土食。味噌味の料理も、球磨焼酎はとても良く合います。飲み方は、米焼酎ならではの香りが立つお燗やお湯割りがおすすめですが、水割りやロックでも濃厚な味噌の味わいをスッキリさせてくれます。

【GI】薩摩焼酎
(2005年指定)

薩摩焼酎

鹿児島県

薩摩焼酎とは?

What is Satsuma-shochu?

鹿児島県内でつくられる日本を代表する芋焼酎ブランドです。
米または芋麹と、原料は鹿児島県産のさつまいものみを使用し、鹿児島県内で蒸留・容器詰めされることが薩摩焼酎を名乗る条件です。
御岳(桜島)のある鹿児島県では、その広範囲を占めるシラス台地が原料となるサツマイモの栽培に適していたことから、芋焼酎の生産が盛んに行われてきました。原料のサツマイモは焼酎用の品種である小金千貫を中心に、紅イモ、紫芋、橙芋などバラエティに富み、豊かな香りと調和した甘く濃厚な味わいと口あたりのなめらさが特長です。また、近年では焼芋や芋麹を使ったブランドも登場し、芋焼酎王国として製品を深化させつづけています。

薩摩焼酎がもっとおいしくなる
「千代香(ちょか)」「前割り」

"Choka" and "Maewari" make Satsuma shochu more delicious

鹿児島の方言できゅうすや土瓶のことを「ちょか(千代香)」と言います。伝統工芸品の薩摩焼のなかでも、黒薩摩(黒もん)のちょかは「黒千代香」と呼ばれ、直火にも耐えられる厚手で、保温性もあるので、古くから焼酎の直燗(じきかん)用の酒器として重宝されてきました。中身が減ってきたら、適宜焼酎と水を足し、火にかけてお好みの温度で飲むことができる、とても便利な酒器です。
また、地元では「前割り」と呼ばれる飲み方があります。あらかじめ好みのこさで焼酎を水で割っておき、数日から1週間寝かせます。こうすることで、焼酎と水の分子が馴染み、丸みのあるまろやかな味わいとなります。この前割りを「千代香」でお燗していただくと、最高においしい薩摩焼酎のお湯割りが楽しめます。鹿児島では、客人の来訪に合わせて前割りを準備しておもてなしをする風習が今でもあります。

ちょか(千代香)

薩摩の名産品と楽しむ薩摩焼酎

Enjoy with Satsuma's specialties

薩摩焼酎と同様に薩摩の名称を関する食べ物として、薩摩(さつま)揚げがあります。
言わずと知れた焼酎ともに鹿児島県を代表する名産品です。薩摩揚げは魚介のすり身を油で揚げ、濃厚なうまみがありますが、芳醇な風味の薩摩焼酎は負けることなく、お互いの味わいを引き立てます。
また、本格焼酎ではさまざまな原料を使いますが、間違いがないと言われるマリアージュの法則があります。「親子飲み」とも言われるもので、本格焼酎と同じ原料を使っている食べ物はピッタリ合うというものです。そこで、薩摩焼酎に合う郷土料理として、細切りのサツマイモと野菜などを水溶き小麦粉で揚げた「がね」を紹介します。「がね」とは、鹿児島弁で「かに」のことで、その揚がった形がカニに似ていることから名付けられた薩摩の代表的な郷土料理です。お正月の料理としても用いられ、野菜のあまみが濃厚な薩摩焼酎にとてもよく合います。

【GI】琉球泡盛
(1995年指定)

琉球泡盛

沖縄県

琉球泡盛とは?

What is Ryukyu awamori?

沖縄県で造られ日本の本格焼酎のルーツとも言われるお酒、それが琉球泡盛です。米(主にタイ米)が使われています。
原料に沖縄の風土に合ったタイ米と黒麹を使い、仕込みは1回だけ(全麹仕込み)、単式蒸留機で蒸留したものが泡盛で、さらに沖縄県内でつくられたものだけが「琉球泡盛」を名乗ることができます。
原料や製造工程は、すべて沖縄だからこそという風土、歴史、伝統が生み出したもので、甘い香りと濃厚な味わいが特徴です。歴史・伝統が生み出した製法であり、そこから生み出される泡盛は、甘みが強く、濃厚で芳醇な香りが特徴です。また、3年以上熟成させた長期熟成酒「古酒(クース)」は、熟成されたまろやかな味わいと舌触り。地域によって味わいの幅が広いことも特徴で、沖縄本島のなかでも北部や中部、南部で個性が異なり、久米島や宮古島、波照間島などの離島も気候や水が異なるため、地域ごとに“ご当地”の泡盛を楽しむことができます。

沖縄の宝、古酒とは?

What is Kusu?

古酒と書いて、クースと読みます。3年以上熟成させた(寝かせた)泡盛のことです。ウィスキーやブランデーなどにも古酒はありますが、泡盛の古酒とは大きな違いがあります。洋酒は樽貯蔵で樽から香りなど変化成分をもらいますが、泡盛は、泡盛に含まれる成分自体が物理的、科学的に経年変化をします。そのため、洋酒は樽から出して瓶詰するとそれ以降は変化しませんが、泡盛は瓶詰したあとでも熟成が進みます。
泡盛は、熟成が進むと香りが変化します代表的な例はバニラ香ですが、その他黒糖、キャラメル、リンゴ、洋ナシ、バラ、チョコレート、コーヒーなどの香りを感じる古酒も。さらに、10年20年と熟成が進むほど、琥珀色に色づき、深みが増していきます。寝かせれば寝かせるほど、変化を楽しめることが泡盛の魅力のひとつです。

沖縄の名産品と楽しむ琉球泡盛

Enjoy with Okinawa's specialties

沖縄は年間を通して温暖な気候です。そのため、沖縄の人たちは、食事をしながら泡盛を飲むときには、水割りで楽しむことが一般的になっています。本格焼酎はアルコール度数が25度前後のものが多いですが、泡盛は30度程度とやや高めのものが多いことも、水割りが好まれる理由のひとつです。
沖縄で好まれる食材といえば、ラフテー、テビチ、ミミガーなどの豚肉。豚肉が持つコクのあるうまみは、スッキリとした甘みがある泡盛にとても良く合います。ちなみに、ラフテーは普通の角煮とは異なり、泡盛と黒砂糖で煮込んでいます。とんかつや生姜焼きなどこってりした味わいの豚肉料理には、水割りはもちろん、炭酸割りもおすすめです。ライムやレモンを絞ると、さらにスッキリとした味わいになります。

博多焼酎
(2011年登録)

【地域団体商標登録ブランド】
博多焼酎

福岡県

博多焼酎とは?

What is Hsakata shochu?

博多焼酎は、福岡県産の本格焼酎(単式蒸留焼酎)全体を総称したブランドです。1975年に山陽新幹線の岡山〜博多間が開通した際に、福岡県観光協会から県観光土産品に指定され愛称として命名されました。
福岡県は、筑後川、矢部川、遠賀川などが生み出した肥沃な大地と豊かな水に恵まれ、日本酒づくりなど農業がもともと盛んな土地柄。日本有数の生産を誇る大麦を原料とした麦焼酎を中心に、米・芋・清酒粕・そば・胡麻・にんじん・緑茶など多彩な原料の焼酎がつくられています。地元に根づいた農産物を原料に、個性豊かな多種多様な焼酎があることが、博多焼酎の特徴です。

「米どころ」福岡県の
焼酎の歴史

History of Shochu in Fukuoka Prefecture

福岡県の焼酎づくりは江戸時代までさかのぼり、粕取焼酎が博多焼酎の原点です。米どころであった福岡は、米をつくり、米から日本酒をつくっていました。さらに、その清酒の粕からさらに粕取焼酎をつくり、残った下粕は肥料として大地に帰し、また米づくりに活かす。この循環を江戸時代に確立していたのです。
そして今、再び吟醸酒粕のもろみを蒸留した「吟醸粕取焼酎」の製造が行われるようになりました。吟醸酒のフルーティな香りが活きた華やかな粕取焼酎です。また原点である古式蒸留の粕取焼酎も復活しています。

福岡の名産品と楽しむ博多焼酎

Enjoy with Fukuoka's specialties

福岡県といえば、全国的にも有名なグルメ県。豊かな海と大地に恵まれているので、名産品はあげればキリがないほどです。中でも、焼酎に合う名産品として人気が高いのは「もつ鍋」と「水炊き」。もつ鍋は炭鉱の町があった福岡で、安くて栄養価が高いものを求めていた炭鉱マンたちが食べ始めたのがルーツとのこと。もつはややクセのある食材のため、ニラやネギ、ニンニクなど香りの強い野菜がもつ鍋には合います。合わせるお酒も、しっかりしたアルコールを感じられ、豊かな香りを持つ博多焼酎がとてもよく合います。
水炊きは、たんぱく質がたくさん取れるヘルシー食としても人気。スッキリした味わいの博多焼酎と合わせると、鶏肉の脂分をさわやかに洗い流してくれて、食が進みます。また、博多名物と言えば欠かせない明太子には、博多焼酎のロックを。少しずつ明太子を味わいながら、博多焼酎の甘みや香りを楽しんでください。

大分麦焼酎
(2007年登録)

【地域団体商標登録ブランド】
大分麦焼酎

大分県

大分麦焼酎/大分むぎ焼酎
とは?

What is Oita mugi shochu?

大分県酒造協同組合が2007年に商標登録した地域ブランドです。
大分産の麦麹と麦を原料に使った麦100%の焼酎で、減圧下でもろみを蒸留する工程を取り入れ、ソフトでスッキリとした味わいです。
1970年代始めに、全国に健康ブームが到来し、麦の健康効果が注目されるようになりました。そのため、それまで米麹が主流だった時代に、大分県が麦麹を開発して麦100%の焼酎を生産していたことから、一気に注目が高まりました。独特の香ばしさと軽やかな味は、全国的な焼酎ブームを巻き起こし、全国でも有数な麦焼酎生産地としての確固たる生産基盤を築き上げました。現在は、大分麦(むぎ)焼酎という統一されたブランドの中でも、個性豊かで魅力的な焼酎がたくさん生まれています。

日本を席巻する
焼酎ブームの発信地

The birthplace of the shochu boom

大分県は福岡県の隣に位置します。福岡県は清酒圏で、焼酎は粕取焼酎を造っていました。土地柄、大分県も清酒圏であり、焼酎は粕取焼酎でした。
そんな大分県がむぎ焼酎を生産するようになったキッカケは、昭和26年の麦の統制撤廃です。もともと大分県は、麦麹を用いて味噌や醤油を造る麦麹文化がありました。そこで、麦が自由に購入できるようになると、焼酎用の麦麹の開発が始まります。そして優れた麦麹の開発に成功し、日本を席捲する焼酎ブームへとつながっていきました。その後も大分県産の麦焼酎は、国内における麦焼酎生産量日本一として、その需要を牽引し続けています。

大分の名産品と楽しむ
大分麦焼酎

Enjoy with Oita's specialties

全国の9割以上を生産している大分の特産品で、麦焼酎に入れるとそのおいしさが増すもの、それはカボスです。大分麦(むぎ)焼酎は、あっさりした味わいのものが多く、柑橘類との相性が良いことで知られています。カボスにはクエン酸が多く含まれ、疲労回復に役立つと言われているので、一日の締めの晩酌にぴったりです。
また、最近は「中津からあげ」などの「鶏の唐揚げ」も、大分名産として知られるようになりました。大分県は世帯別鶏肉消費量で全国1位になることがたびたびあるほど鶏肉が好まれていて、「鶏天」も名物のひとつです。鶏の唐揚げも鶏天も、レモンなどの柑橘類を絞って食べることが定番で、酸味と合わさるとさらにおいしさが増す料理。スッキリしたカボス入りの大分麦(むぎ)焼酎との相性は言うまでもありません。

宮崎の本格焼酎
(2007年登録)

【地域団体商標登録ブランド】
宮崎の本格焼酎

宮崎県

宮崎の本格焼酎とは?

What is Miyazaki honkaku shochu?

宮崎県酒造協同組合が2007年に商標登録した地域ブランドです。
宮崎県は、2021年まで本格焼酎の生産量が7年連続全国1位の焼酎大国。宮崎県は地理的に南北に長く、熊本(米)、鹿児島(芋)、大分(麦)と本格焼酎の各原料を代表する県と隣り合わせです。そのため、その土地で生産する原料をもとに、芋を中心に米、麦はもちろん、そば・トウモロコシ・栗など多彩な原料を使った本格焼酎がつくられています。原料の魅力を引き出し、個性豊かな本格焼酎をつくることができるのは、宮崎県の焼酎生産の技術の高さを示していると言えます。

「だれやみ」で
明日への活力を養おう!

Vitality for Tomorrow “Dareyami”

宮崎県の方言では、「疲れた」を「だれた」と言い、その「だれ」をやめる(止める)ために呑むことを「だれやみ」と言います。「今日も一日お疲れさま!」そんな思いを込めて、1日の疲れを癒やす晩酌のことを指しています。あくまでもネガティブではなくポジティブに活力回復の意味で使います。
会社帰り「今日も仕事を頑張ったから、一杯やっていこうか?」と誘うときも、「頑張ったから、軽くだれやみって帰ろうか?」と言うと、ただ疲れを癒やすだけではなく、明日への元気のために飲もう!という意味が込められます。「だれやみ」を知らなかった方も、ぜひ今日から“だれやみ”で明日へ活力を養ってください。
※ちなみに「だいやめ」、「だりやみ」などとも言うこともあります。

宮崎の名産品と楽しむ
宮崎の本格焼酎

Enjoy with Miyazaki's specialties

宮崎県の夏の名物料理と言えば、冷や汁。鯵やいりこなどの魚とゴマを摺り、炙った味噌とだし汁を混ぜ、ミョウガやキュウリ、豆腐などを加えて冷やしたもので、ご飯にかけるのが定番ですが、サラダにかけたり、そうめんのつゆにしたり、さまざまな食べ方があります。しっかりした味わいで香ばしい味噌味は、香り高くスッキリした味わいの本格焼酎と好相性。暑い夏に、水割りの宮崎本格焼酎と合わせてみてはいかがでしょう。
また、宮崎で愛されている食材の代表格は、鶏肉。お隣の大分県と、毎年のように消費量で全国トップを争っています。大分県では唐揚げや鶏天が好まれますが、宮崎県の鶏料理と言えば炭火焼き。宮崎の本格焼酎の味わいは、炭の香りや鶏のうまみをさらに引き立ててくれます。

奄美黒糖焼酎
(2009年登録)

【地域団体商標登録ブランド】
奄美黒糖焼酎

鹿児島県 奄美群島

奄美黒糖焼酎とは?

What is Amamai kokuto shochu?

鹿児島県の奄美群島のみで製造が認められている黒糖焼酎です。
米麹と原料にサトウキビからつくられる黒糖を使用することが、奄美黒糖焼酎を名乗るための条件です。
黒糖焼酎は甘い風味が特徴であり、原料の黒糖の糖質が含まれていると思われがちですが、そもそも本格焼酎は蒸留酒ですから糖質はゼロ。甘みを感じるのは、蒸留後に残った香味成分です。
奄美群島でつくられている黒糖焼酎は、各島々の独特の気候、風土、歴史、文化などにより個性はさまざま。味わいや香りが大きく異なるため、自分好みのものを見つける楽しみもあります。南国ならではのパッションフルーツやパイナップル、マンゴーなどを使ったカクテルも人気。さまざまな飲み方を楽しめることも、黒糖焼酎の魅力です。

奄美群島ってどんなところ?

What is the Amami Islands like?

奄美群島は鹿児島から約370キロ離れた島嶼群です。奄美市として鹿児島県に属しますが、位置的には沖縄に近い島々です。8つの有人島の内、奄美大島(8蔵)・喜界島(2蔵)・徳之島(2蔵)・沖永良部島(3蔵)・与論島(1蔵)の5つの島に蔵元があり、黒糖焼酎を造っています。
特に奄美群島でサトウキビ生産が盛んなのは喜界島と徳之島と沖永良部島です。温暖な気候で作られるサトウキビの茎の部分を圧搾し、絞り汁を煮詰めたものが黒糖ですが、サトウキビ全体から約1/10しか取れない貴重なもの。ちなみに黒糖作りは究極のエコシステムで、作る過程で出た搾りかすなどは煮詰めるためのボイラーの燃料や畑の肥料に活かされています。

奄美の名産品と楽しむ
奄美黒糖焼酎

Enjoy with Amami's specialties

「親子飲み」とも言われる、本格焼酎と同じ原料を使っている食べ物はピッタリ合うという法則。奄美黒糖焼酎でそれに該当するのは、黒糖を使ったご当地スイーツの「ごまざた」です。ごまざたの材料は、ごまと黒砂糖のみ。食べるとごまの風味と黒糖を煮詰めた時の香ばしさが口の中に一気に広がり、黒糖独特のほのかな苦みを感じる甘さが感じられます。この甘さが黒糖焼酎のコクを引き立てるので、地元ではごまざたは黒糖焼酎のアテの定番です。もちろん「かりんとう」も好相性です。
また、奄美群島には伝統的なおもてなし料理「鶏飯」があります。鶏肉や錦糸卵などをご飯の上に乗せ、鶏ガラスープをかけて食べるお茶漬けのような料理ですが、これも黒糖焼酎との相性は抜群。甘みがありながらスッキリとした味わいの黒糖焼酎が、鶏のうまみを引き立ててくれます。

全国の本格焼酎

日本全国で造られる本格焼酎

Shochu made throughout Japan

九州や沖縄以外でも、本格焼酎はつくられています。日本には、本格焼酎・泡盛をつくっている蔵元が約600蔵あります。日本酒の蔵元が本格焼酎もつくる兼業蔵もあります。本格焼酎も日本酒も日本を代表する“國酒”。地域に根付き、地域の文化や風土を取り入れながら発展してきました。どちらも今後ますます、伝統を守りながらも新しく進化していくことでしょう。

東京の本格焼酎を
ご存知ですか?

Do you know about shochu in Tokyo?

その歴史は古く、江戸時代後期まで遡ります。薩摩藩から八丈島に流罪となったといわれている商人が、島民に島で作っているさつま芋での焼酎造りを教えます。その技術が他の島々へと伝わって行き、現在に至ります。
時代が昭和になると島の農家たちが芋作りから観葉植物作りへ移行するようになり、原料の芋の確保が難しくなってきます。そこで蔵元たちは麦に目を向け、麦焼酎造りやまた、麦と芋のブレンドという独特の焼酎をつくり始めました。今では麦麹の芋焼酎は島酒の代名詞ともなっています。
また東京島酒以外にも、長野のそば焼酎や北海道のじゃがいも焼酎、清酒メーカーが造る酒粕焼酎など、個性的でおいしい本格焼酎がたくさんあります。

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